第70回糖商連総会

本日はお忙しい中、第70回全国砂糖特約店協同組合連合会の総会にご出席いただきましてありがとうございます。 日頃は糖商連の活動にご理解、ご協力を頂き重ねて御礼申し上げます。

この1年を振り返りましても、昨年第2次トランプ政権が誕生し、早々にトランプ関税に振り回されました。 日本では憲政史上初めて女性首相が誕生し、半年たった今でも高市政権は高支持率を保っています。

2月に始まった米国・イスラエルによるイラン紛争も長期化してきておりホルムズ海峡封鎖により、石油製品の値上がりや品不足が表面化しつつあります。

砂糖業界では年末に2020年以来上昇を続けてきた精糖建値が引き下げられました。値下げに関しては名古屋地域において日経商品相場のフライング記事が出るなど若干の混乱が見られました。

 

今期、糖商連が取り組むべき問題についてお話させていただきたいと思います。

それは糖商連の持続的発展を維持するために何すればよいのか という問題です。私が特約店組合の役員を仰せつかったのが2000年でした。この時全国の特約店組合加盟社は174社でした。

ところが今期期初の特約店組合加盟社数は130社になってしまっています。26年間で実に25%の減少です。

砂糖特約店を取り巻く環境は年々厳しさを増してきています。特にここ数年は円安傾向による諸物価の上昇、金利の上昇など事業を運営するコストは上昇しています。

しかしながらここ数年は精糖値上げ分を転嫁するのが精一杯で事業運営コストの転嫁まではできていないのではないでしょうか。

おそらく増加するコストを何とか抑えようとする努力はしていてもお客様にご負担頂くところまでは取り組めていないと思います。

しかしながらこのような状態が続けば必ず経営を圧迫してきてしまいます。事業を継続できない状態になればお客様にご迷惑をおかけすることになります。

そのような状況にならないために糖商連としまして組合員各社の啓発活動を行ってまいりたいと思っています。本日の総会議題に掲げておりますので皆様のご意見をお伺いしたいと思います。

過去4年間の値上げ、昨年の値下げで1円でも諸費用の価格を転嫁できたところはありますか。値下げ時に満額下げるのではなく1円でも残す努力をされたところはありますか。

今日、そして全国の特約店に申し上げたいのはただ一つ、「事業の運営諸経費をお客様に少しでも良いのでご負担していただきましょう。」ということです。

それにはまず、経営者の方に危機感を持っていただくところから始めたいと考えています。

経営者が確固たる信念を持っていなければ現場の営業はお客様の言いなりになってしまうからです。

コロナ以降、特にウクライナ戦争、イスラエル米国イラン戦争以降目に見えて諸物価は上がってきていることは皆さん十分お感じになられていると思います。加えて、円安傾向、金利、固定資産税なども上昇しています。

商品売買差益は同額なのに変動費、固定費が上昇している。この危機感をお会社全体で共有されているでしょうか。価格転嫁の努力を会社としているでしょうか。

私の経験上、若手社員より現状がわかっているはずのベテラン社員ほど価格転嫁が進みません。なぜなら長い付き合い故お客様の要求に逆らえません。お客様の状況を知りすぎているからです。

つまり、若手社員ほどお客様に要求できない体質になってしまっているのです。

 

物流費、燃料費はまだまだこれから上がり続けるでしょう。今、諸経費を転嫁できなければ、3年後、いや2年後には事業収益は目に見えて悪くなるでしょう。それを皆さんは座して待つのでしょうか。

それとも何らかの手立てがあるのでしょうか。今や過去と違い、精糖メーカーはリベートを廃止、または減額してきています。販売条件も前のようには応じてこなくなります。つまり頼れるものは自社の努力だけということになります。

もし、皆さんのお会社が諸物価の上昇に耐えられなくなり思うように配送ができなくなったり、安定的に商品の供給ができなくなったらお客様にご迷惑をおかけすることになってしまいます。

価格転嫁は政府も奨励している施策です。国民の所得を上げるには中小企業の業績を上げるしか手がないからです。それがひいては国力の増加につながり、国の持続的発展を約束するからです。

私はこの流れに乗り、精糖業界が潤い、少しでも魅力ある業界にすべきであると信じています。

精糖メーカーの企業姿勢は明らかに量より質に変化してきています。過剰な設備を棄却すれば販売の質を上げざるを得ないからです。業界再編とはこれが目的といえます。

流通だけが量のためにしのぎを削り体力を消耗させるべきではありません。一時期、低糖価政策を業界あげて推進しました。その結果どうなったでしょう。私の先輩たちが自嘲したように砂利より水より安い精糖価格になってしまいました。

何の付加価値もない、面白みのない商品です。量を主眼に置いた政策だったからです。しかし今はパラダイムが完全に逆転しています。外糖が上がったから下がったからと言って相場を決める時代ではないのです。

事業をとりまく環境すべてを勘案し相場を形成する時代になったのです。

業界の人たちが作り、販売に携わる人間が商品を丁寧に売る時代になったのです。

ここで皆さんは心配されるでしょう。組合として価格転嫁、値上げを推進してもよいものかと。

私は農水省に確認しました。組合が指示をして日時を指定し、値上げ価格を指定しなければ談合には当たらない。ということです。

 

ではどうやって価格転嫁を進めるのか。

それは全国の特約店さんにご意見やアイデアを出していただくしか方法はないと思っています。皆で知恵を出し合い、ライバルであっても時には手を組む。そうすれば自分だけが損をすることはなくなります。

 

又、価格転嫁といっても転嫁の仕方は商品価格を上げることだけではないはずです。こまめに情報などお客様が喜びそうなものを提供し価格以上の価値を認めていただいたり、一回の配送単位を上げていただくことで積載率を向上させたり、時には仲の良い問屋どうして共同配送をしたり、近場のお客様に対し委託物流をお願いしたり、配送するより取りに来ていただいたほうが価格を安く、配送の手間も省けると交渉をしたりして、時間と労力を低減させる方法も立派な価格転嫁となります。

本日は糖商連の役員の皆様にこの業界あげての価格転嫁啓発活動にご賛同いただき特約店の持続的発展のためご審議いただきたいと存じます。