明けましておめでとうございます。 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
組合員の皆様におかれましては、日頃より糖商連の活動にご賛同、ご協力を賜りまして誠にありがとうございます。
今年は久々の長い年末年始休暇となり、皆様ゆっくりされたのではないかと思います。全国的に長い休暇を利用しての国内旅行も昨年対比で2%増加の2,800万人と若干増加傾向にあります。 旅行に関わる消費額から見ますと昨今の物価上昇、円安影響か6.3%増加の1兆3,500億円見込まれています。
又、2024年度の訪日来訪者数は過去最高の推計3,687万人とされ、前年より1,000万人以上増加したといわれています。 単純計算で月平均300万人が来訪していることになります。 訪日客の国内消費額は約8兆1,395億円を見込まれており、その内飲食費が23%を占めています。 つまり飲食だけで1兆8,700億円のインバウンド需要があり、当砂糖業界に対しても恩恵が及ぼされているという事になります。
確かに先日北海道を訪れた際にも、新千歳空港では10,000円近い海鮮丼を見かけますし、外国人が大多数を占め、お土産を購入していました。
日銀の11月の発表でも2024年の消費者物価は2%半ばで推移しており、2025年以降も原油価格や金利の動向にも影響されるものの、恐らく上振れするであろうと見込まれています。
インバウンド需要に下支えされた景気循環が賃金上昇に影響を及ぼすことで経済の好循環が生まれることを期待いたします。 しかしながら反面、当砂糖卸業界は物流の2024年問題に対処していかなければならず、加えて諸物価の上昇に合わせた経営を行っていく必要があります。 物流費、水道光熱費、人件費をはじめ諸物価の値上がりはそれぞれの上昇率は小さくとも企業収益を知らず知らずのうちに圧迫し、企業の健康状態を悪化させてしまいます。 幸い2021年から上昇を続けていた精糖価格も現時点では落ち着いております。 今後も上昇していくであろう物流費や諸物価の上昇を適切にユーザー様、消費者にご負担いただける様お願いするチャンスでもあります。 只、お客様にはお客様のご都合があり、単に価格を上げてくださいではご理解いただけないでしょう。 あくまでも運び手側の努力も必要です。 お客様には2024年から始まっている物流問題を良くご理解、ご協力いただきながら、自社の配送の「ムダ」「ムリ」「ムラ」を取り除くことでコストを抑え、結果的に収益を高めていきましょう。
一般的に配送の効率化は「実働率」「実車率」「積載率」の3つの指標を向上させることと言われています。 例えば週5日の配送を4日にまとめて頂いたり、1日早めにオーダーを頂くことで実働率は高めることができます。 又、1回のご注文の量を1割増やして頂いたり、通常より1品多くご注文頂くことで積載率は高めることができます。 近隣、又は遠方の同業者と共同配送の仕組みを作り上げることで実車率を向上させることもできるでしょう。
特に同業者同士の共同配送はドライバー不足による物流問題の回避とお客様に最短で商品をお届けできるというメリットを生む可能性があります。 自社のトラックが振り向けられない場合でも共配相手にお願いすることでお客様にご迷惑をかけずに済みます。 少量貨物の「ついで配送」でお互いに積載率を高めることも可能です。 又、SDGsの観点から見ればCO2削減にもつながります。 こうした取り組みは日々競争状態である現場からは生まれてきません。 何より経営からのトップダウンで進めていくことが肝要と言われています。 経営者が率先して共同配送の仕組みづくりをしなければ中々実現しないでしょう。
こうした地道な経営努力、営業努力で収益改善を実現することで将来に亘ってお客様に安定的に商品をお届けするという特約店の使命を果たせることになります。
会員企業の弥栄と、社員の皆様、ご家族の皆様のご健勝を祈念いたしまして新年のご挨拶とさせていただきます。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
全国砂糖特約店協同組合連合会
会長 西川 宗行