第69回全国砂糖特約店協同組合連合会通常総会懇親会 会長挨拶

 本日はお忙しい中、第69回全国砂糖特約店協同組合連合会の総会懇親会にご参会いただきましてありがとうございます。 日頃は糖商連の活動にご理解、ご協力を頂きこの場をお借りしまして御礼申し上げます。

 本日は農林水産省より地域作物課参鍋課長、精糖工業会仲野副会長はじめ幹部の皆様、日本ビート糖協会、日本精糖協会、全国砂糖代理店会、及び業界紙の皆様にご臨席頂き誠にありがとうございます。

 

 まずもって、本日14時半より行われました第69回全国砂糖特約店協同組合連合会総会が無事終了したしましたことご報告申し上げます。 本総会では関東砂糖さんの和田洋次郎さんが監事として復帰されました。

残念ながら、期初組合員数は前年度末組合員数134社から1社減少の133社となりました。

 

 2021年から続いてきた値上げも7回を数え、2020年と比べると約3割62円価格が上昇したのはご承知の通りです。 同時に糖商が事業を継続する上での経費は上昇を続けています。

コロナを経験し、ウクライナ・ロシア戦争で諸物価が高騰したこの4年の間に世の中のルールは変わったと思います。 つまり今まではコスト上昇分は自社努力で吸収すべきという考え方から、今後コストは受益者に応分にご負担いただかなくてはならないものというルールに変わりつつあるという事です。

 我々特約店をはじめ、精糖販売店はこうした事実をしっかり認識し、原価コスト上昇分の他、事業運営コストもお客様にご負担いただけなければ、今まで築き上げてきたサプライチェーンが崩壊する可能性があります。 組合員数の漸減傾向がこれを表しています。 特約店として今後目指すべきことは、7回の精糖の価格上昇分をお客様にご負担いただくことは勿論、その上で事業に関わる労務費、燃料費、光熱費をもご負担いただけるよう努力することだと考えています。

 

 かの1万円札になった渋沢栄一も言っています。「論語とそろばんは一致しなければならない」すなわち筋道の通った金儲けは道徳的にも正であり、ビジネスにおいても正である。誰かが負担を強いられるビジネスはビジネスとは言えない。 渋沢栄一の新一万円札はこうしたビジネスの根本を教えてくれているような気がします。

 

 農林水産省はじめ、政府も矢継ぎ早に物流問題、価格転嫁問題についての指針、政策を出していただいており企業収益の向上による賃上げを推奨しています。 確かにお客様にはお客様の立場があり、簡単には値上げを飲んでいただけないケースも多々あるとは存じますが、原材料相場の高騰、円安による燃料光熱費の上昇を丁寧にご説明し、事業採算に見合う収益を確保していけるよう組合員の啓発活動をしていきたいと考えております。

 

 今年度は商品相場の上げ基調も一服し、世の中の景気としてはインバウンド需要の伸びも期待できる年となりそうです。 農林水産省におかれましては「ありが糖」運動はじめ様々な政策で販売店のバックアップを引き続きお願い申し上げます。  精製糖メーカーさんには商品の安定供給は勿論、相場の安定化にご努力いただきたいと存じます。

 

 本日はお時間の許す限り懇親を深めていただければと思いますのでよろしくお願い申し上げます。