第68回通常総会ご挨拶

 日頃は糖商連の活動にご理解、ご協力を頂き誠にありがとうございます。

 本日5月15日、全国砂糖特約店協同組合連合会第68期通常総会を開催、滞りなく全ての議案について承認されましたことをご報告申し上げます

今総会では和田洋次郎監事の退任に伴う監事の選任があり、東日本砂糖特約店協同組合副理事長に新たに就任された和田純一氏が選任されました。

残念ながら、期初組合員数は前年度末組合員数136社から2社減少の134社となり、組合員数の漸減傾向には歯止めがかかっておりません。

 

 2023年度は5月の新型コロナウィルス感染症5類移行により、コロナ禍蔓延以前と同様の行事を行うことが出来ました。国内旅行者数や訪日外国人客数もコロナ禍以前を超えるような状況となり、農林水産省の精糖需給見通しでも昨年対比1%弱の需要の回復を見込んでいます。

反面、2021年から続いてきた値上げも7回を数え、2020年と比べると約3割価格が上昇しました。

商品価格の上昇に加え、労務費、燃料費、光熱費が軒並み上昇し、特約店の皆様におかれましては日々の経営に苦慮されておられることと存じます。

特約店として目指すべきことは、7回の精糖の価格上昇分をお客様にご負担いただくことは勿論、その上で事業に関わる労務費、燃料費、光熱費をもご負担いただけるよう努力することでしょう。農林水産省はじめ、各省庁も2024年3月から年2回の「価格交渉促進月間」の実施期間を設け、企業収益の向上による賃上げを推奨しています。お客様にはお客様の立場があり、簡単には値上げを飲んでいただけないケースも多々あるとは存じますが、原材料相場の高騰、円安による燃料光熱費の上昇を丁寧にご説明し、事業採算に見合う収益を確保していきましょう。

 

  又、糖商連でも度々警鐘を鳴らしてきた「2024年の物流問題」がいよいよ現実のものとなります。トラックドライバーの人手不足と高齢化を防止するため稼働時間の制限が設けられます。これに対し何も手を打たなければ2024年には昨年対比14%、2030年には34%の輸送能力が不足するといわれています。農林水産省、経済産業省、国土交通省は各業界に対し物流の効率化を目指し、「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定、2030年に向けたロードマップを策定することとなりました。精糖業界でも精糖工業会、日本ビート糖業協会が自主行動計画を発表しています。

我々精糖流通業界にとっても物流問題は経営の根幹にかかわる大きな問題です。物流委託業者に対する待遇の改善や運賃の是正要請、自社物流に関わる諸経費の上昇、仕入れ業者からの運賃負担要請など販売店の規模の大小にかかわらず無縁ではいられません。今までは運賃もサービスの内、運賃込みの販売価格が当たり前でしたが、今後は事業の継続の為にも運賃の別建て化やサーチャージ制をお客様にご理解いただく努力をしていかなければなりません。

糖商連としても物流の効率化を目的に精糖工業会の業務委員会との合同会議第1回目を2月14日に開催いたしました。まずは流通、製造双方の現状を報告し、お互いに効率化が目指せれば良いと考えています。

 

 今年度は商品相場の上げ基調も一服し、インバウンド需要の伸びも期待できる年となりそうです。この機会にお客様に対して適正に利益を頂けているか、運賃など諸費用が販売価格に織り込まれているか事業継続のための収益構造をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 最後になりましたが、本年度も組合員各社の糖商連へのご理解ご協力をお願い申し上げます。